溺愛女神様―青空の瞳―
早歩きで歩いていると、派手な服装の男がヨルに声をかけてきた
「ようヨル!店のほうは大丈夫なのか?バルド達がまたどんちゃん騒ぎしてるみたいだぜ?」
「あのくそオヤジ共が…」
男の言葉にヨルは青筋を浮かべ、眉間にシワをよせた
それからは先よりも歩くスピードが速くなり始めた。といってもレイやアンナに無理をさせない程度だ
しかし、ヨルはなかなか店にたどり着くことはできない
その理由は――――
「ヨル」
「ヨル兄ちゃん!」
「よっ!ボウズ」
行く先々で呼び止められるのが原因である――その年齢層は様々
そんなことからもヨルの存在がこの街の人間に愛されているのがわかる
そんなみんなの話ひとつひとつに耳を傾け、答えている彼も街の人間を大事にしているのがわかった
「ヨルっていい人だね!」
「は…?」
意味がわからないという風なヨルの横でレイはただ笑っていた