溺愛女神様―青空の瞳―

男は慌てたように体を起こしてレイを穴が空くほど見つめる――

その瞳はレイが追いかけていた猫と同じ紫の瞳だ

それは金髪と見事に調和している

思わず、彼に見とれているレイにその彼が戸惑いをあらわに口を開く

「…女神、か?」

絶対にふざけているだろうと言いたくなった言葉だが、彼は真剣な眼差しをレイに送る


「あの、」

女神ってなんですか―――というレイの言葉は部屋の扉が叩かれたことによって、遮られた

「エドガー様。お目覚めですか?」

扉の向こうから男の声がした

「アイルか。入れ」

エドガーと呼ばれた彼はその声の主を知りつくしているのか、あっさりと入室許可し、扉はゆっくりと開かれた

「エドガー様。おはようございます………………誰ですか!?その娘は!?」

アイルが下げていた顔を上げ、一番に目に入った少女の存在に目を見開いた



漆黒の髪から覗く青空色の瞳―――女神と同じ色の瞳

その上、元々美しい容姿が後ろの窓から差す日の光に照らされ、その美しさはそれこそ、女神だと言われても納得してしまうほどだった


アイルはしばらく目を逸らせず、固まったようにレイを見つめ続ける

エドガーは何故、アイルがほうけたような顔をしているのか、幾つかの疑問符を浮かべる

しかし、その理由がすぐに思い当たり、ハッする


ああ、そうだ…自分の後ろには女神が居たのだった―――

エドガーは自分の後ろに向けられるアイルの視線を辿るようにレイに視線を向けた




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