溺愛女神様―青空の瞳―

辿ったエドガーの視線が捕らえ映したものは、吸い込まれそうな青空色の瞳―――そして、それを引き立てるような白雪の肌と艶のある黒髪

そのどれもが洗練されたように美しく、整った人形のようだった

ずっと見ていたい――そう思ってしまうくらいに少女の姿は魅惑的で自分を捉えて放さない



一方、じっと見られるレイはいたたまれない上に状況が掴めない、といった具合に戸惑う

「あの…何か?」

レイの言葉にエドガーはハッとしたように視線を逸らした

それと同時にアイルも我に返り、その眼を鋭くする

「………エドガー様。侵入者ですか?」

先程は驚きすぎて行動できなかったが侵入者とあれば、即刻捕まえなくてはならない

しかし、相手は女、しかも美しい――夜の相手をしたというのも考えられなくはない事実だ

独断できるものではないと判断し、エドガーに確認の言葉と眼差しを向ける


「侵入者……」

エドガーは考えるように呟いた


レイはその呟きを聞いた瞬間、【侵入者=処刑】という方程式が頭に浮かび、“まだ死にたくない”という思いと共に卒倒した





突然倒れたレイに彼らは驚き、エドガーはすぐに脈を確認し、アイルは駆け寄る

とりあえず脈は正常だ、とエドガーは安堵の息を吐き出した

「エドガー様。この娘…」

「女神だ」

怪訝な表情をするアイルにエドガーはフッと笑った

「今日は女神の祭典だからな。伝説どおり女神が降臨したんだ」

「しかし、そう簡単に信用してもよろしいのですか」

王様の側近ともあり、見慣れない者には慎重になる

いや、普通なら誰しもが警戒するだろう――エドガーも例外ではない。いつもの彼ならば、そう易々と信用したりしない

だが、エドガーはレイに対しそんな感情は抱かなかった

否、抱けなかった


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