運命

私が廊下で立ち尽くしてるとき、裕二の友達の桐野君が声をかけてきた。
「夏姫ちゃんだよね?裕二の元カノの―」
「うん。・・・あのっ桐野君、裕二が私と別れた理由知ってる?」
「・・・・あぁ」
「お願い!教えて」
「裕二、夏姫ちゃんに言っただろ?別れようって。あれは本心で言ったんじゃないよ。
裕二は本当に夏姫ちゃんのことが好きだった。むしろ愛してたんだ。別れた理由はね、
夏姫ちゃんがどんどん綺麗になっていくから、他の男からも告られるって思って、自分じゃ守れないって思ったんだ。自分じゃ夏姫ちゃんを幸せにできないって。馬鹿だよなアイツ」
「桐野君・・・ありがとう。じゃぁね」
私は話を聞き終わった後、笑顔のフリで桐野君に礼を言った。
桐野君と別れた後、とめどなく涙が溢れてきた。
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