君を想う
「お兄ちゃん・・・重かったでしょ?」


キッチンに向かって 荷物を


テーブルの上に置いたお兄ちゃん


「平気だよ・・・それより


結構買ったな」


「あ・・・ほら! すぐ


なくならないように?」


誤魔化すように笑いながら


そう言った


本当は 明日のお弁当作るのに


必要だった


「ほら カレー作るんだろ?


俺も手伝うから」


「あ・・・うん!」


なんか・・・緊張する


お兄ちゃんと料理なんて


久々だな


昔 母の日にお母さんに内緒で


一緒にご飯作って・・・


それ以来 作らなくなった


「・・・み? 麻美!?」


「へ?」


玉ねぎを切っていたら 人指し指を


切ってしまった


「痛い!」


「お前・・・さっきから呼んでるのに


ほら 指出して?」


私は 包丁を置いて お兄ちゃんの前に


怪我をした指を出す
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