君を想う
「危ないだろ? ほら帰るぞ」


「あ・・・うん」


私とお兄ちゃんは 


家まで歩き出した


「新しい学校 慣れたか?」


「あ・・・うん! 友達も出来たし」


落ち着かなきゃ・・・


さっきの事 忘れなきゃって


思っても忘れられない


「東英館は進学校だけど


共学だからな・・・


変な男に 引っかかるなよ?


麻美は 可愛いんだから」


こうやって 心配してくれるのは


嬉しいけど・・・


ちょっと・・・いやかなり


シスコンだよ


「大丈夫だよ! お兄ちゃんが


心配するほどの事じゃないから」


「・・・ならいいけど


何かあったら 俺に言えよ?」


そう言って お兄ちゃんは


私の頭を撫でた


しばらくすると 家に着いた


玄関のドアを開けて


靴を脱ぎ 階段を上がって


自分の部屋に向かった


ふと 唇に触れる
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