君を想う
「・・・でも麻美」


「・・・どうしてわかって


くれないの?


朔哉君の事 悪く言わないで」


麻美は走ってどこかに向かった


俺は・・・麻美の事を


わかっているのかな?


「あの・・・どうして


そこまで麻美を・・・」


「・・・好きだからだよ


あいつ小学生の時 いじめられてて


何度も俺が助けたんだ


その時・・・思ったんだ


麻美を守るのは俺しかいないって」


兄貴はそう言って


少し笑っていた


「俺は兄貴失格だな・・・


血が繋がっていなくても


兄貴らしくしなきゃって思ったのに」


「・・・」


あいつ・・・結構苦しい思い


してきたんだな


「悪かったね 変な所見せて」


「いえ・・・じゃあ俺帰りますんで」


そう言って 俺は来た道を戻った


このまま好きだって気持ちを


伝えても 麻美はどんどん


苦しんでしまうんじゃないか?
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