君を想う
夕方になって 皆帰った


結構楽しかったな・・・


「麻美」


ドキン


後ろからお兄ちゃんの声がして


振り返った


「お兄ちゃん・・・」


「ちょっと・・・いいか?」


「・・・うん」


私とお兄ちゃんは 近くの公園に向かった


ベンチに座って 俯いてしまう


「お前・・・倉崎君の事どう


思ってるんだ?」


「え?」


まさか お兄ちゃんからそんな事


聞かれるなんて思いもしなかった


「どうって・・・友達だよ?」


朔哉君は 友達・・・


「私が好きなのは・・・お兄ちゃんだもん」


そうだよ・・・


私はお兄ちゃんが好きだから


お兄ちゃんを・・・選んだんだ


「・・・たまに思うんだ


今日もあいつを見てたお前の目は


少し楽しそうに見えた」


ドキン


「・・・それは友達だから」


友達なんて どうしてこんな風に


誤魔化すように言ってしまうんだろう?
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