君を想う
俺と麻美は 駅前のゲーセンに居た


「あ・・・落ちちゃった・・・」


UFOキャッチャーをしている麻美は


必死な顔をしていた


「俺がやろうか?」


「・・・ごめんなさい」


また謝る・・・


俺は 投入口に200円を入れて


うさぎのぬいぐるみを取った


「ほら」


「あ・・・ありがとう・・・」


ぬいぐるみを 麻美に渡す


「麻美?」


声のする方を見ると 兄貴が


立っていた


「お兄ちゃん・・・」


さっきまで 笑っていた顔が


一瞬で 落ち込んだ顔になった


「あの・・・俺が悪いんです


無理矢理連れ出したので・・・」


「・・・麻美の事 責めてないよ


もちろん君の事も・・・


もう遅いから・・・行こう? 麻美」


「うん・・・じゃあね 朔哉君」


そう言って 麻美は兄貴の所に向かい


ゲーセンを出た


残された俺は ただ立ち尽くしていた
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