君を想う
でも 自分の中で気持ちが


混乱していた


心の中が ぐちゃぐちゃだった


「・・・麻美?」


「え?」


顔を上げると お兄ちゃんが


キスをした


触れるだけの優しいキス・・・


さっきの朔哉君とは違う


「・・・好きだよ」


「うん・・・」


知ってる


でも・・・今少しだけ


一瞬だけ・・・朔哉君の事


忘れたいの


お兄ちゃんと居る時は お兄ちゃんの事を


考えたいから


「そろそろ・・・帰るか」


「そうだね」


ぎゅ


お兄ちゃんは 私の手を握って


家に向かって歩き出した


繋がれた手を見ると 


恋人繋ぎになっていた


昔・・・よくやったな・・・


迷子にならないようにって


お兄ちゃんとよくこうやって


手を握ったっけ?
< 287 / 513 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop