君を想う
叫ぶようにそう言ってしまった


「・・・朔哉君には 関係ないでしょ?」


声が一瞬震えたような


そんな気がした


まだ・・・泣きたいのか?


さっきまで 泣いてたのがわかった


「・・・無理すんなよ」


「咲帆ちゃんとお兄ちゃんは


話するだけだよ・・・?


そんな嫌だなんて 思ってない


離してよ・・・」


そう言って 麻美は俺の手を


振り解いた


「じゃあなんで泣いてたんだよ!?」


そう言うと 立ち止まった


泣いてたのに・・・


「・・・泣いてなんか」


「ウソつくなよ・・・ お前今


すげー苦しいんだろ?」


麻美の苦しみは・・・ずっと前から


わかっていた


「・・・私は」


ぎゅ


俺は 麻美を後ろから抱き締めた


これ以上・・・苦しむのは


見たくない


「俺じゃ・・・ダメなのか?」


「・・・」
< 297 / 513 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop