君を想う

「麻美のせいじゃないよ・・・


ちょっと考えたいんだ」


そう言って　お兄ちゃんは笑った


涙が頬を伝う


泣きたくないのに・・・


「それに・・・今日


咲帆ちゃんに言われたんだ


『麻美の気持ち　考えた事


あるんですか？』ってね・・・」


咲帆ちゃん・・・そんな事


でも　私はお兄ちゃんが大好きだから


「・・・俺は　ずっとお前の気持ち


考えてなかったのかも


しれないな・・・」


そんな・・・切なく言わないでよ


「・・・行かないで　私


お兄ちゃんの事・・・本当に好きなの」


お兄ちゃんの服を掴んで


そう言った


「俺も好きだよ・・・でもな？


麻美が好きなのは　俺じゃないだろ？」


「・・・」


その言葉に　言葉を詰まらせてしまった


違うって・・・言いたかったのに


「大丈夫だよ・・・俺は


麻美の事　大事な妹だって想ってるから」


大事な・・・妹