君を想う
ドキン ドキン・・・


心臓が高鳴る


「あの・・・」


「・・・ごめんな?」


え?


突然 朔哉君が謝ってきた


ビックリして顔を上げる


「俺・・・お前の事


焦らせて・・・麻美の気持ち


考えてなかったな」


少し悲しそうに言った


見たくないのに・・・


そんな・・・悲しい顔見たくない


「・・・朔哉君 私」


「お前の気持ちを・・・優先したいから」


私の答えは 決まっているのに


でも まだ少しお兄ちゃんに未練があった


少し・・・胸が痛む


「麻美・・・困らせてごめんな?」


謝らないでよ・・・


そんな・・・謝って欲しかった訳じゃない


朔哉君は私の横を通り過ぎて


屋上を出た


どうして・・・?


ストン


その場に座り込んだ


涙が頬を伝った


こんなの・・・胸が苦しくなるだけだよ
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