君を想う
ドクン


「・・・離して下さい」


どうしよう


掴まれている腕が痛い・・・


「何やってんだよ?」


声のする方を見ると


お兄ちゃんが立っていた


「・・・くそ 行こうぜ」


そう言って 手を離して


男子達は走ってどこかに向かった


「あ・・・ありがとう」


「・・・こんな所で 何やってんだよ?」


お兄ちゃんは 怒った声で


そう言っていた


当たり前か・・・


「えっと・・・早退したの」


「なんで?」


なんでって・・・


どう言えばいいんだろう?


その前に 説明出来ないよ・・・


「・・・」


「とにかく 学校戻れよ?


またさっきみたいな奴に 絡まれるぞ?」


そう言って お兄ちゃんは


歩き出した


学校に・・・戻りたくない


でも これ以上心配かけたくないし


私の足は 学校に向かっていた
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