君を想う
それなのに 私・・・


自分の事ばかりで・・・


「麻美?」


ドキン


顔を上げると 朔哉君が


立っていた


どうして・・・居るの?


「・・・朔哉君」


「どした?」


やばい・・・泣いてるの


バレちゃう


慌てて俯いた


でも・・・涙は止まってくれない


零れ落ちてしまう


すると 朔哉君が目の前に


やって来た


大きな手が 頬に触れた


私は 無意識の内に


朔哉君に抱き付いていた


「・・・麻美?」


「何も・・・聞かないで


少しだけ・・・このままで・・・」


涙声で そう言った


今は 泣きたかった


ぎゅ


朔哉君は 何も言わないで


私の肩を抱き締めた


ドキン ドキン・・・
< 335 / 513 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop