君を想う

届かない距離

家に帰って 玄関のドアを開ける


「ただいま」


誰も・・・居ない


お父さんもお母さんも


仕事かな?


お兄ちゃん・・・咲帆ちゃんと


何を話しているんだろう?


ガチャ


「・・・麻美」


「お兄ちゃん・・・早かったね」


もう話終わったのかな?


「・・・もう終わったの?」


「ああ・・・咲帆ちゃん


イイコだな」


ドクン


胸が痛み出した


もしかして・・・お兄ちゃん


咲帆ちゃんの事・・・好きなの?


「・・・うん キレイだし


優しい子だよ?」


声が震えた気がした


笑わなきゃ・・・ダメ


でも さっき止まったはずの涙が


また出そうになった


泣いたら・・・ダメ


「麻美?」


「・・・ごめん なんでもない


疲れたから」
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