君を想う
すると 突然お兄ちゃんが


立ち上がった


「もうすぐ・・・だよね?」


「ああ・・・」


もうすぐ・・・お兄ちゃんは


家を出て行く


大学の寮に住むって言ってた


「なんか・・・寂しいな」


「たまに 戻ってくるから


そんな顔すんなよ?」


そう言いながら お兄ちゃんは


私の頭を撫でた


寂しいのは 本心だった


「・・・お兄ちゃん」


「俺だって 寂しいよ・・・


でも こんな気持ちのままじゃ


いつまで経っても 麻美を


妹として見れないだろ?」


「・・・」


わかっているのに・・・どうして?


どうすればいいのかなんて


そんなのわからない


お兄ちゃんは 私の為に出て行くから


ぎゅ


私はお兄ちゃんを後ろから抱き締めた


「・・・麻美?」


「ごめんね?」


こんな わがままな妹でごめんね?
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