君を想う
ぎゅ


お兄ちゃんは私を抱き締めた


「お・・・お兄ちゃん!?」


「俺・・・」


ドン


私は お兄ちゃんを突き飛ばした


「・・・やめてよ」


立ち上がって 部屋を出ようとした


ぎゅ


今度は後ろから抱き締められた


「放して・・・」


「・・・ちゃんと聞いてほしいんだ


俺・・・麻美の事が」


嫌だ・・・聞きたくない


だって・・・お兄ちゃんは


お兄ちゃんだもん


「私 朔哉君が好きだから・・・


前にもそう言ったでしょ?」


そう・・・私は朔哉君が好き


それは お兄ちゃんも知ってるはず


お兄ちゃんから離れて


部屋を出た


ドキン ドキン・・・


ダメだよ・・・ドキドキしちゃ


私にとって お兄ちゃんは・・・


でも たまに見せる悲しい顔


それは・・・私のせいなの?


そう思いながら 自分の部屋に戻った
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