君を想う
ドキン ドキン・・・


どうしよう


「どした? なんかあったか?」


「ちょっと・・・寝不足」


「・・・麻美」


少し 悲しい声で私を呼んだ


まるで お兄ちゃんみたいだった


「ごめんね・・・本当に


なんでもないから」


そう言って 教室に向かった


席に着いて 鞄から教科書を出す


「・・・はぁ」


「どしたの? さっきから変だよ?」


咲帆ちゃんが 心配そうな顔をして


やって来た


「・・・なんでもないよ?


本当に大丈夫だから・・・ね?」


私は 笑ってそう言った


これ以上 咲帆ちゃんにも


朔哉君にも・・・心配かけたくない


「・・・寝不足なだけだよ」


「まぁ・・・麻美がそう言うなら


でも 本当に何か悩んでるなら言って?


話聞くぐらい出来るから」


「うん・・・」


キーンコーン・・・


予鈴が鳴って 先生が入って来た


隣を見ると 朔哉君がぼんやりしていた
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