彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
明日はいよいよ試合だ。


西條先輩の体調は本当に大丈夫なのか。


不安だけど、聞けそうもない。


「明日は頑張るから応援してくれよ。千比絽がいれば、俺は負ける気はしない。」


はい、応援します。


だから、ずっと元気でいて下さい。


「西條先輩の事ずっと応援します。これは父に貰ったお守りなんです。西條先輩に貸してあげますね。優勝したら返して下さい。」


西條先輩がお守りを握りしめた。


必ず勝ってほしい。


「ありがとう、工藤選手の物だと思うと、嬉しくて手の震えが止まらないよ。」


今しかないと思い、私の気持ちを伝えた。


「私には嘘をつかないと約束して下さい。真実を話してほしいです。」


お願いです。


どんな事を聞いても驚いたり、泣いたりしません。


「約束する。千比絽には嘘はつかない。」


西條先輩が私の手を強く握る。


私もそれに答えて、その手を握り返した。


西條先輩の手はとても温かいです。


この手の温もりを絶対忘れない。






















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