彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
雨の中での練習は思ったよりもかなりきつい。


思うように体が動かなくて、ふらつく。


「千比絽、もうついてこれねぇのか。」


挑発してますけど、その手には乗りません。


雨で前が見えない。


「いえ、大丈夫です、お願いします!」


拾えるはずのボールがグローブから溢れた。


そのボールを陸斗が拾う。


何で、陸斗がいるの。


「千比絽もう充分だろ。顔も傷だらけで見てられないよ。親父の意志は俺が継ぐから、千比絽はもう頑張らなくていい。」


陸斗、やめてよ。


どうして、今さらそんな事を言うの。


「嫌だ、私は約束を守って野球を絶対続ける。」


あの日、約束したんだ。


父さんは昨年癌で亡くなった。


【千比絽は野球が好きか。好きなら続けろ。女だからって理由で野球を諦める事はない。父さんは千比絽を応援してるからな。】


父さんと約束した、大好きな野球をずっと続けると誓った。


女子に野球は無理だなんて、絶対認めたくない。


父さんが見守ってくれてるから、大丈夫。


そうだよね、父さん。


ずっと見ててね。


だから、どんなに苦しくても辛くても野球を続けたい。






























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