彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
準決勝も勝ち抜いた。


明日は決勝戦。


「千比絽、肩を貸してくれ。情けないなよな。千比絽は俺の事バカだと思ってるだろ。明日1日投げ抜けば甲子園に行ける。千比絽も一緒に甲子園に行こうな。」


もう何も言わない。


西條先輩は命をかけて戦っているのだから。


西條先輩の命は私が守ってみせる。


タクシーを呼び、西條先輩のマンションまで行った。


歩くことも出来ない西條先輩を抱え、部屋まで運ぶ。


西條先輩を着替えさせ、ベットに寝かせた。


死んだように眠る西條先輩。


テーブルの上に薬がいくつも置かれていて、薬の効能が書かれた用紙を見つけた。


西條先輩の病名は再生不良性貧血。


何となくそうではないかと、思っていた。


西條先輩のバカ。


西條先輩は大バカやろうだ。


泣かないから。


私が泣いたら駄目だ。








< 112 / 252 >

この作品をシェア

pagetop