彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
長くいると西條先輩が疲れてしまうと思い、面会は数分で終わらせ、又明日来ると約束した。


看護師さんに案内され、小林医師の元へ向かう。


西條先輩の容態がよくないことを知らされると思うと憂鬱だが、現実を受け止めるしかないのだと覚悟を決めて小林医師が待つ部屋に入った。


「千比絽さん頑張りましたね。あなたの頑張りが弘也の生きる力になってます。弘也は何回も危篤状態に陥りました。」


嘘だ、何回も電話くれたし、電話に出てくれた。


「あれは僕です。千比絽さんからの電話に出れない時は、僕が弘也に成り済まして、出てました。分からなかったでしょ。」


はい。


全く、分からなかった。


ずっと、西條先輩だと思っていたのに。


小林先生だったなんて、恥ずかし過ぎます。

二人で私をだましましたね。












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