彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
小林医師が俺の命がいつ消えるか分からない事を、千比絽に告げた時も泣かなかったらしい。


「分かりました。弘也には一日でも長く生きて貰います。」


千比絽はそう言い切ったのだ。


そして涙を溢す事なく、坦々と話したと言う。


「弘也がいつ死ぬかなんて誰にも決められない。弘也は今生きてるんだから。」


小林医師も千比絽の言葉に何も言えなかったと言った。


そうだ、千比絽が言う通り、いつ死ぬなんて誰にも分からない。


みんな同じなんだ。


みんな今を生きてる。


明日どうかなるなんて、誰にも分からない。


だから、今日を精一杯生きて行こう決めた。


千比絽と一緒に。

















< 156 / 252 >

この作品をシェア

pagetop