彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
父親が自殺した。


兄と俺は施設で暮らし、元々体の弱かった母親はいまだに入退院を繰り返している。


兄は親父と同じプロ野球の選手になったが、俺は安定した教師の道を選んだ。


別に子供が好きとかではないし、いい加減な動機で教師になった俺は言い寄る女に、片っ端から手を出した。


たとえそれが、生徒あっても何の問題ないと考えていたが。


そのことでかなりお叱りを受け、今は真面目に教師を続けていた。


俺の目の前にいる千比絽は、全く女には見えない。


手を出す気にもなれない。


気は強そうだし、男以上の体力と根性を持ってるらしいし。

それにこいつにはナイトが二人もついてる。


西條弘也と小山庄一。


西條と千比絽が付き合ってるなんて、あり得ないだろ。


西條は俺と同じ臭いがしたのに、こいつを何が変えたんだ。

まさか千比絽の存在なのか。


笑わせるなよ。


純粋な恋愛なんて信じれるはずないのだから。













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