彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない

私は最初から女子です

毎日野球の練習の後、エステに通い真っ黒い顔が少し肌色に戻った。


野球部員にからかわれて恥ずかしい。


「千比絽は真っ黒が似合ってる。女子ぽい千比絽だと調子狂うよ。」


元々女子なんですけど。


今日の千比絽はいい匂いがすると抱きつかれるし。


もう、ヤだ。


こんなこと早く止めたい。


別に無理して女らしくする必要があるのか。


バカバカしい、止めてやる。


陸斗に腕を掴まれた。


「逃げたら、負けだぞ!」


負けたくはないけど、この勝負の意味が分からない。


違う方法で戦いたいし、ミスコンで勝負だなんて、どう考えてもおかしいと思う。


それが星野監督が考えた、私を負かすための方法だとしたら、本当に頭がイカれてる。


真央が必死に応援してくれてるのを無視する事も出来ない。


この勝負に、受けて立つしかないのだと、あらためて思った。














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