彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
少し明るめに染めて貰った。


お肌のお手入れもしてもらい、軽く化粧もしてみたけど。


うふふ、今日は女ぽいかも。


弘也びっくりするかな。


マンションに帰ると、美味しい匂いがする。


「千比絽、飯にするから、風呂入って来いよ。」


ちょっと待って、私を見てよ。


弘也は薬が効いて、ここ二三日調子がいいと言っていた。


「今日美容院へ行って来たの。お化粧もしてみたんだ。」


見てよ。


「千比絽はそのままでいいんだよ。」


そんなの、嘘だ。


嫌だよ、そんなの。


「弘也は私が男みたいだから、抱いてくれないんでしょ!」


弘也の顔色がかわった。


そんな、顔しないでよ。


「そんな訳ないだろ。俺は千比絽を抱きたいのを我慢してるんだ。」


何で我慢するの。


私に魅力がないから。


女として見れないからだよね。


はっきりいってよ。


何を言われても驚かないから。


胸が苦しくてたまらなかった。








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