彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
泣きたいのは私なのに、どうして、弘也が泣いてるの。


弘也の苦しみは何。


私には理解出来ない事。


「怖いんだよ。俺は誕生日まで生きていられるのか、不安になる。俺が死んだら千比絽は又誰かを好きになって、新しい恋をするんだろうな。」


バカじゃないの。


「なら、死なないでよ!」


そんな事いわないで。


私だって、本当は怖い。


「ごめん。千比絽。」


明日どうなってるかなんて、みんな分からないんだよ。


明日も生きてるかなんて、誰も分からない。


「死ぬなんて言わないで、生きて、どんな事しても生き抜いてほしい。」


私の存在が弘也を苦しめてるのかも知れない。


私に何が出来るのか。


私はこうして弘也といれる事が嬉しい。


時間の問題じゃない。


「千比絽を失うのが怖い。」


私は何処にも行かないよ。


弘也を見捨てたりしない。


ずっと、ずっと、一緒だからね。


「弘也、抱いてほしい。」


その前にシャワー浴びないと部活で汗臭いや。


弘也は私を抱き締めたまま、何も言ってはくれない。


又、早とちりしてしまったかな。


「今言った事は忘れて。」


「それは無理、その気になっちゃったし、千比絽の望みを叶えてやるよ。」


弘也が覆い被さって来た。


私、大丈夫かな。


昨日より少しだけ綺麗になったけど。


本当は自分に自信がなかった。

















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