彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
今日は12月24日弘也の20才の誕生日。


小林医師に誕生日まではもたないかも知れないと言われたが、弘也はこうして生きている。


暖かい弘也の胸に顔を埋めて、弘也が今日も生きていると確認した。


1日でも1秒でも長く生きてほしい。


私の誕生日プレゼントは、私の所を記入済みの婚姻届け。


後は弘也に記入して貰い、来年の3月3日に市役所に届け出する予定。


弘也は喜んでくれるだろうか。


その日の夜、婚姻届けを見た弘也がかなり驚いていた。


「もう一度言うよ。私と結婚して下さい。早く婚姻届けに名前を書いてね。」


弘也の手が震えていた。


「来年3月3日、私が16才になった時、市役所に婚姻届けを提出すれば、私たちは夫婦になるんだよ。」


泣かないで、弘也、私がそうしたいの。


あなたがいなくなっても、二人で生きた証を残したい。


駄目ですか。


お願いだから、私を一人にしないでください。


これがあれば弘也だけを思って生きていける。















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