彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
婚姻届けに弘也の名前は書かれてなかった。


どうして?


弘也の告別式が終わった後、小山先輩が私を訪ねて来た。


私は弘也のマンションから離れる事が出来ないでいたから。


小山先輩から渡された、弘也からの手紙。


「弘也に頼まれたんだ。俺が死んだら千比絽に渡してほしい。そして千比絽を幸せにしてやってほしい。」





小山先輩が何を言ってるのか、分からない。


「弘也は俺が千比絽を好き事知っていたんだ。おまえの気持ちも考えずに弘也と約束してしまった。俺が千比絽を支えたい。」


突然、そんな事言われても、頭がついて行かない。


弘也を好きな気持ちは変わることなんてないのに。


「今の千比絽は泣く事も出来ない。誰かに頼って楽になれよ。」


そんなの無理、私の好きなのは弘也だけだから、弘也がいなくても、誰かを代わりになんか出来ない。


今は何も考えられないし。


弘也はひどいよ。


弘也の代わりはいらない。


なんで、そんな事をいうの。


こんなに好きなのに。


弘也は私の胸の中で、今も生きてる。















< 241 / 252 >

この作品をシェア

pagetop