彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
今日土曜日の部活で早めに終わった。


弘也が眠る霊園には一度も来ていない。


怖くて来れなかった。


雅也が私の手を離す。


「西條弘也はここには眠ってるんだぞ。弘也は死んだ。」


分かってるよ。


そんな事。


だけど、やだ。


逃げようとする私の手をつかんだ。


「逃げたら駄目だ。弘也の死を認めて、前に進むんだ。」


分かってるけど、いやなの。


弘也がいないことをどうしても認めたくない。


現実から逃げてるのはわかってるし、弘也が死んだと言う事も理解してるけど、怖いんだ。


弘也が死んだ事を認めたら、私はどうなってしまうのだろ。


もしかしたら、野球をやる意味を失う事になるかも知れない。








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