彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない

初めての意識

初めて男子が怖いと思った。


シャワー室の壁を殴りつけた時の小山主将の顔が、目に焼き付いて離れない。


本当に怖くて今も震えが止まらないと言うのに。



目の前のが西條先輩謝り続けてるけど、西條先輩が悪いんじゃない。


「千比絽本当にごめん、許してやってくれないか。胸の事は秘密にしとくし、庄一にも口止めするから、庄一も悪かったと思ってる。」


どうして、小山主将本人が謝りに来ないの。


西條先輩が背中を向けてくれたから、私は涙を拭きながら服を着ると、西條先輩が振り向き、私を抱き締めた。


「千比絽は女の子なんだから、無理しなくていいんだよ。泣きたい時は泣けばいい。」


うん。


西條先輩の胸に顔を埋めたまま泣き続けた。



恥ずかしい気持ちと、悔しい気持ちが入り交じって、自分でもどうしたいのか分からない。


この涙の原因はなんなのか。


胸を見られた事なんかじゃない。


小山主将を怖いと思ってしまったことが、負けをみとめみたいで、悔しかったのだ。


小山主将だけには負けたくない。
























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