彼の愛は永遠だから、サヨナラは言わない
そうだ、西條先輩にも一緒に走っていただこう。


「西條先輩がまず見本を見せて下さい。西條先輩の後を走りますから。」


そんな顔をしなくてもいいのに。


西條先輩は走るのが苦手なのかな。


「俺はいい、千比絽だけ走って。」


やっぱり、西條先輩は走るのが苦手なんですね。


「そんな事言わないで下さい。先輩お願いします。」



お願いすると嫌々西條先輩が走りだしたから、その後を走る。


2周目で軽く先輩を抜くと、西條先輩は目を丸くして驚いていた。


運動場を10周して腕立てと腹筋を軽くこなす。


西條先輩がかなり驚いていた。


「千比絽は女じゃないな。」


よく言われます。


気にしませんから。


「そんな事はどうでもいいんです。入部認めてくれますね。」


西條先輩が仕方なく頷く。


今日から江南高校野球部の入部が決まった。


やっと、入部出来たのだ。


父さん、やったよ。


私、頑張るからね。


空の上から見ててよ。


夢に向かって突き進むしかないのだ。


のんびりしてる暇なんてない。


陸人がどんな顔をするか、少し心配になってしまった。




































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