彼とカレの青春
「あの時の
野宮の歌声がさー、

俺、
ずっと忘れられなくて、 それ以来、よく、
野宮のこと目で追ってたんだ。

そしたら、いろんなことが分かった。

野宮って、
掃除とか、
人が嫌がることをテキパキと率先してやる、とか。
あと、
辛いことがあった時とか、
俺、
よく風呂場で
野宮の歌声を思い出すんだ。
そうすると、なんか、
頑張れるんだ、俺。」

「そ...、そうスか...。」


上野が、
俺の存在を、
そんなに意識してくれていた と初めて知り、

なんか恥ずかしくなってしまった。
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