彼とカレの青春
「今日は、
一日ずっと
野宮と一緒に居られて
楽しかったよ!」

辺りも
すっかり暗くなった帰り道で、
上野は言った。


「ぶらぶらしてただけだったけど、良かったの?」

何ひとつ、
特別なことはしていない。
本当に これで、
上野が楽しかったのかどうか、
不安になる。


「野宮は?」

「え?」

「野宮は今日、
退屈だった?」


逆に、
上野が俺へ尋ねた。

「退屈じゃない!
俺はッ、
上野と一緒に居られたってだけで、
それで......満足。」

「ハハッ!
俺も、同じ気持ちだよ?」

「は?あっ!!...そう...スか...。」

上野には
俺の気持ちが全て
見透かされていたみたいだ。

それに気付いた俺は、
急速に
顔を赤らめた。
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