LOVE☆LIFE 〜幼なじみレンアイ㊦〜
それからアタシは、父にも母にも何でも思った事は言うようになった。
生きているうちしか話せない、伝えられない事があると思った。
母は元から容赦ない母ちゃんだったけど、父も病人だからって容赦無かった。
テストで悪い点を取れば怒られ、誠二と喧嘩すれば叱られた。
だけど、それも嬉しかった。
そんな普通の事が大切だった。
怒られるのも叱られるのも、全部父さんが生きている証拠。
だから、父さんとも病室でよく喧嘩した。
「ナツコは悪くないもん。誠二がナツコの事バカって言ったんだもん。」
だから誠二を思いっきり殴ってやった。
そしたら、場所が悪かったのか、誠二の口の中が切れて血が出てしまった。
「ナツコ、バカと言われたからって殴るのはダメだ。言われたなら言い返しなさい。手を挙げるのは弱虫のする事だぞ。」
そう言われても、口じゃ誠二に勝てないもん。力でだって女のアタシの方が弱いじゃないか。
「だって口じゃ勝てない…。」
父に怒られて半泣きになりながらそう言った。