LOVE☆LIFE 〜幼なじみレンアイ㊦〜
大切なもの
誠二が入院している病院は、母が働いている病院で、そして父が亡くなるまで入院していた病院だ。
父が入院していたあの頃、何度も通った病院への道筋は、目をつぶってでも通えるぐらいとても通い慣れた道だった。
大きくて立派な建物の大学病院への道筋は、父に会える喜びと、父を失った寂しさの混ざる、切ない道のり。
誠二に会いに行くこの道筋は…
憎たらしくも愛しい道のり。
そんな事をつらつらと考えながら歩いていたら、あっという間に大学病院に着いた。
受付で誠二の病室を聞いてから、入院している部屋へと向かう。
受付で聞いた誠二の病室は個室だった。
誠二のやつ脚の骨折ぐらいで個室に入院するなんて、贅沢なヤツだわ。
少しだけいつもの強気なナツを取り戻すと、誠二の入院してる305号室の扉の前に立った。