RED×HEAVEN
クッションをルナの顔に押し当てる。



声が出来るだけ外に漏れないように、でも窒息しないように。



今日は暴れ方がいつも以上に激しかった。



苦しいのかなと思い、クッションを少しずらした。



ルナの目元が見える。



驚いた。



ルナは全力で暴れながら、張り裂けそうなほどの叫び声を上げながら、涙を流していた。



―あたしを殺して―



またそう聞こえた気がした。



流れ落ちる涙を見つめながら、俺は無意識に決心していた。



ルナを殺そうと。



ルナを人間に戻すにはそれしかないと。
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