RED×HEAVEN
「ありがとう」



同情でも激励でも称賛でもなく、感謝を述べる事に意味があるとは思えなかった。



だけど、気付けば唇が勝手にそう動いていた。



ルイは顔を上げ、俺の顔を見つめた。



「ルイ、ありがとう」



俺をお前の傍にいさせてくれて。



秘めた思いは口にせず、もう一度そう言った。



ルイの目からはみるみる透明の雫が溢れだした。



抱き締めたい…



でも、俺にはそれが出来ない。



こんなにも想っているのに…
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