RED×HEAVEN
俺を包み込んでいた熱が和らぐと、自然と目が開いた。



落ち着いている。



目の前に広がっている光景を見ても取り乱す事はなかった。



そこは港の倉庫街。



従業員たちは自分の仕事を終え、それぞれの生活の場所に帰って行ったのだろう。



閑散としていた。



1台のワンボックスカーと1人の男と1人の女。



今この場所で『動』を感じるのはその3つだけ。



マユさんの車とテツとマユさん。



マユさんはワンボックスカーに背中をあずけ、地べたに座り込んでいる。



いや、座らされているのだろうか。



その様子を無表情に見つめるテツ。



しばらく動きはなさそうだ。
< 197 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop