RED×HEAVEN
「社長…?」



マユさんが俺を呼んだのだ。



慌てて振り向き、マユさんを見つめた。



不思議な事に、目が合った。



「マユさん、俺が見えるの?」



マユさんはコクコクと頷いた。



目は全開。



口は半開き。



ピンときた。



これはアイツらの仕業だ。



いや、アイツらのおかげか。



エンとエマが俺の姿をマユさんに見せてくれているのだ。



声まで届くようだ。



マユさんはヨロヨロと立ち上がり、俺のそばにやってきた。



俺も歩み寄ろうという気はあるのに、足がどうしてもいう事を聞いてくれない。
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