RED×HEAVEN
「へ?俺?」



とぼける演技は不自然ではないだろうか。



「あんたしかおらんやろ」



心地いいはずの方言が、今は張り裂けるほど苦しい。



「そうだな。俺はここの住人。…えーっと、大家?」



俺にはこの演技を続けられる自信がない。



聞き慣れたルイの声を近くに感じて、冷静を保ち続ける自信がない。



「いや、聞かれても知らんし」



まだ姿を画面で見ながら機械を通して声を聞いているだけなのに、様々な衝動に駆られた。
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