RED×HEAVEN
俺の切望はまんまと裏切られた。



ルナは持っている学校指定の紺色のカバンの中をゴソゴソと探り始めた。



その腕は細い。



よく見れば、足も顔も、全身が以前よりかなり細くなっている。



何故気付かなかった。



だって、そんな素振りがなかったから。



何故もっとよく見ていなかった。



だって、誰よりも見ているつもりだったから。



何故夜遊びをちゃんと叱れなかった。



だって、可愛くて仕方なかったから。



どれもこれも言い訳にならない言い訳じゃないか。



最低なのはテツでもルナでもなく、この俺だ。
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