L・O・V・E
「どっちも嫌」

「1回だけ!
 呼んでくださいよ~」

「はぁ・・・」



・・・千晴。

名前で呼ぶのって、
なんか苦手なんだよな。



「先輩?」

「今呼んだ。
 心ん中で」

「え~っ、先輩!」

「何?」



多分こいつ・・・、
千晴は、悪い奴じゃない。



「呼ばないなら
 デートっすよ?」

「絶対嫌」

「じゃあはいっ。
 俺の名前どーぞっ」



しょうがないな・・・。
減るもんじゃないし。



「ちは・・・」



途中で、
言葉を止めた。

久しぶりに見た、
聖生先輩の姿が
目の前にあったから。



「海翔先輩っ、
 早く帰りましょ?」



先輩はじっと
あたし達を見てた。

千晴は、
あたしの腕を引いて
さっきより速く足を進めた。



「ちょ、待って・・・。
 痛い。痛いって千晴!!」



足を止めて、
振り返った千晴。
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