L・O・V・E

先輩の存在





―――2週間後



今日は、愛翔と会う日。
・・・そして、
初磨の手術の日。

カブるなんて・・・。



「海翔、初磨のところ行け。
終わったら、連絡して。な?」

「・・・うん」



病院に向かって走った。
手術はもう、始まってる。

初磨に何も
言ってあげられなかった。



「先輩っ」

「あ、海翔・・・。
大丈夫か?今日って・・・」

「愛翔に、会う日。
けど、あとから行く」

「そっか」



手術中のランプを見ると、
小さく手が震えてしまう。

あたしの手を、
先輩が優しく握った。



「きっと、大丈夫。
元気になって戻って来るよ」

「・・・うん」

「海翔っ・・・」



後ろから聞こえた声。
初磨の、・・・お母さん。



「雪姉さん」

「来て、くれたんだ。
そっちの子は・・・?」

「辻宮 聖生先輩。
初磨と同じクラスなの」

「ハツと・・・?
来てくれてありがとう。
あの子の、初磨の母です」



先輩は、目を見開いてる。
・・・当然だよ。
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