―コトノハ―【一日一編想いの詩集】
005 線香花火
パチパチと
『ここにいるよ』
『輝いているよ』と
微かな微かな音を上げ
鮮やかな残像を描きながら
可憐な光の花が闇に散る。
それはまるで
今を懸命に生きる
命の煌めきに似て
あまりに綺麗で
あまりに儚い。
花は散るからこそ美しく
光の花も刹那に輝く。
もしも
全ての存在《もの》に
終わりがあるなら。
例え
全ての存在《もの》に
終わりがあるとしても。
今を輝く
花でありたい。
2010.08.16
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