ふたり
一章
母が階段を上ってくる音。
その足音で、
ゆっくりと開くあたしのまぶた。
『初ちゃーん!陸くーん!
さっさと起きなさい!』
ママがカーテンを開き、
窓から明るい日差しが差し込んできて
あたしと陸に
太陽が直撃した。
『…はぁい』
今日は案外目覚めが良く、
ママの言うことを
素直に聞いて、
ベッドから起き上がった。
『りく、…りく、朝だって。起きな』