ふたり


あたしの隣の
ベッドで寝る、陸の
サラサラの黒髪を揺らす。


『…ん』

『早く起きなきゃおいてくよ?』

『…待って』


はぁ、と、
ベッドの中からため息が聞こえた。
ため息つきたいのは
あたしの方だってば…。


もぞもぞと布団から陸が出てきた。


ハネた黒髪、ぼんやりした目。


その顔は
とても高校生には見えなかった。


< 2 / 15 >

この作品をシェア

pagetop