Rena real 〜中学編〜
────‥‥5月
『今日席替えじゃん』
「え、まじ?」
『うん。ユリはどこの席狙ってんの?』
「もちろん、高城くんの隣っしょ」
『高城?!あれ、ただのヤンキーじゃん』
「かっこよくない?」
『ふーん。』
クラスで1番仲良しのユリ
ユリは高城の隣を
狙ってるらしい。
隣になれたところで
学校に来ること少ないし
話す機会は全くないのに
頑張るな、とか思う
「あ、先生きたよ!」
『うん』
先生が来ると同時に
ざわついてたクラスが
一気に静まり返る
「今日は席替えだったな。クジで決めるから端から順番に取りに来い」
担任が箱を取り出して
教壇の上におくと
生徒がゾロゾロと
箱にむらがっていく。
ユリはクジを引くとき
手を合わせてたぐらい
本気で引いていた
もちろんアタシは
好きな人もいないし
席はどこでもいいけど。
なんて考えながら
クジを引くと番号は34番
因みに席でいうなら
一番後ろの窓際。
『よっしゃ』
「れな何番だった?」
『34』
「アタシ9番なんだけど〜1番前だし。最悪」
『ほら、高城は問題児だから1番前かもよ?』
「そっか♪だよね〜」
ニコニコ笑いながら
前の席に戻っていくユリ
クラスの皆が
新しい席についていく
隣の人とご対面の瞬間
ユリが前の方で叫んでる
様子をみると
ユリの隣は
高城じゃなかったらしい
クラスの全員が
座ったあとも
アタシの隣は
誰も座らないままだった
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