死神少女

 さぁてと。

 汗がだらっと顔を伝い、落ちる。

 そして屋上のコンクリートにぽたっと落ちて、染みを作った。

 アイスはもうとっくに溶けてしまってる。ちなみにはずれだった。

 ・・・さて、と。

 アイスははずれだった。

 今日は暑い。

 教室に居場所なんて無い。

 彼氏もいない。

 彼女もいない。

 私なんて、生きている意味がない。

 よって―


「あいきゃんふらーい」
「ゆーきゃんとふらーい」

 がっと、誰かに抱きとめられた。

 甘い香り。

 視界に入るのは美しい紫。

 この人は。

「・・・にいさん・・・」

 私の記憶の中の、兄さんがソコにいた。
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